内容説明
「人生最悪の日ですか?」
街角で黒猫に訊かれたら、
それは不思議な図書館への招待――
結婚式を目前にして恋人に振られた千紗は、同時に仕事も住む場所もなくして不幸のどん底にいた。そんな千紗に声をかけてきたのは、路地裏の一匹の黒猫――人生最悪の日かと黒猫に訊かれ、やけくそ気味に「そうだ」と答えた千紗は、気がつくと不思議な図書館に。自分の人生を一冊の本に書きあげるまで出られないと言われるが、そこには千紗同様迷い込んできた、個性豊かな人たちがいて……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オセロ
45
人生のどん底を味わった仲間たちと言っても年齢も性別も図書館での過ごし方もバラバラ。そんな彼女たちがふとしたことから交流が始まり、それぞれの最悪の出来事を明らかにして、価値観が変わっていくというあらすじから予想出来る内容なうえに、どうしても某作品と被ってしまうんですよね。 司書さんのことや図書館のタブーのことなどまだまだ掘り下げられるところもあったし、設定が面白かっただけにいろいろ残念でした。2025/05/24
mayu
30
「人生最悪の日ですか」と黒猫に尋ねられ、そうですと答えたら誘われる不思議な図書館。出口の無い図書館は自分史を書き上げられなければ元の世界へ戻れない。そこへ集まるのはそれぞれの最悪の日を抱えた人達。三章のゆみさま、四章の厭世の話は涙無しでは読めなかった。それぞれの最悪な現実と自分に向き合い、仲間達の話を聞いて前向きになっていく姿がとても良かった。今は何でもデジタルで書くこと自体が少なくなってきているけど、自分の気持ちを書き出して向き合うって苦しいし難しいけど、前を向くために大切と感じた一冊。2025/05/31
愛書家
11
どうしたって司書さんの存在や行動に恐怖を感じた次第です。 ところが、世界の秘密が明かされてからの、怒涛の伏線回収がお見事としか言いようがありません。 感動さえ覚えた始末です。 割と夢中になれる要素有。 作者さんの新境地でしょうね。2025/05/19
小梅さん。
10
「人生最悪の日ですか」 黒猫さんの問いかけにYesと答えると行くことができる不思議な図書館。 「自分史」を書きあげないと出ることができない場所。 自分を見つめなおして、それぞれの「最悪」と向き合う覚悟が必要。語られる現実の過酷さが辛い。 年齢もとらず、空腹にもならず、睡眠も不要で本を読んでいられるなら、引きこもってしまいそうだ。ただし、そこにあるのはそれまでの利用者が書いた「自分史」のみではあるけど。 2025/05/20
くまさん
5
この本が気になった人全員に読んでもらいたい 人生で必要なものがぎゅっと詰まっているような一冊だった。2025/06/02
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